
明治大学は9月3日、タカナシ乳業株式会社と明治大学商学部の加藤拓巳准教授による共同研究の知見に基づいて開発された新商品『タカナシ 生乳本来のクリームが浮かぶカフェラテ』が、タカナシ乳業から10月3日に発売されると発表しました。
ノンホモ牛乳の特徴
一般的な市販の牛乳の多くは、品質を安定させるために乳脂肪分を均質化(ホモジナイズ)しています。一方でノンホモ牛乳は乳脂肪分を均質化せず、搾りたての生乳に近い状態を保つ製法です。
静置すると表層にクリームの層(クリームライン)ができ、牧場で味わう牛乳のようなコクが楽しめるとのことです。酪農・乳業の現場ではその品質の高さが長く評価されてきた一方で、「ノンホモジナイズ製法」という製法名そのものは、日常的に牛乳を選ぶ場面でおいしさを想像する手がかりにはなりにくいという課題があったとのことです。
クリームに着目した商品コンセプト
タカナシ乳業と加藤拓巳准教授の共同研究では、ノンホモ牛乳のおいしさを消費者に分かりやすく伝える方法を検証しました。表層に浮かぶクリームという実際の特徴を、言葉と視覚の両面から正確に伝える方法を、消費者を対象としたランダム化比較試験で調べたとのことです。
研究では、ノンホモ牛乳の表層にできるクリームラインが、自然由来のクリームを味わいたいという消費者のニーズに合うことが明らかになりました。カフェではクリームのある飲料が人気を集めている一方、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売でクリーム入り飲料を扱う例は多くないとのことです。
そこで研究では、ノンホモ牛乳の価値の源泉をクリームと位置づけ、それを際立たせる飲料としてカフェラテを開発対象にしました。従来のノンホモ牛乳の技術面を訴求する表現と、「生乳本来のクリームが浮かぶカフェラテ」というコンセプトの訴求を比較したところ、後者の訴求で購入意向が有意に高まりました。

クリームをすくうパッケージデザイン
消費者は商品を検討する際、口にしたときの感覚を思い浮かべる「メンタルシミュレーション」を行うことが知られています。食品のパッケージでは、スプーンですくう描写がこの想像を助けることが報告されていますが、飲料への適用例はほとんどなかったとのことです。
そこで研究では、ノンホモ牛乳ならではのクリームの層を、スプーンですくう描写によって表現するデザインを検証しました。これは中身にない要素を付けくわえるものではなく、実際に商品の中で起きている現象を、より伝わりやすい形で描いたものとのことです。
複数のデザイン案を無作為に割り付けたグループへ提示して評価を比較した結果、クリームをすくう描写を採用したデザインで購入意向が有意に高まりました。

研究成果の学会発表
今回の共同研究の成果は、国際会議「KES 2026」と日本デザイン学会第73回春季研究発表大会に採択されています。この知見に基づいて企画・開発されたのが、10月3日にタカナシ乳業から発売される『タカナシ 生乳本来のクリームが浮かぶカフェラテ』です。